― ONE LOVE ―

千春は、携帯電話の着信画面も見らず、涙を拭きながら、慌てて電話をとった。







『…もしもし…!!
………ツ…………ツトム?!』











『…えっ?……いや……』



【洋人の心】
……ツトム?…誰だ?…










―― 二時間前






自宅に戻った洋人は、夕食をコンビニの弁当で済ませ、予約録画していた大好きなアーティストの、カウントダウンライヴを見ていた。

しかし、気がつけばエンドロール。見たか見なかったかも分からないくらい、洋人の頭の中は、千春の事でいっぱいだった。






【洋人の心】
…千春ちゃんどうしたんだろう


…俺…やっぱなんか変な事でも言っちゃったのかな…



…緊張してて…あんまり何言ったのかも覚えてないなぁ…




…やっぱり…オッパイが…
…いけなかったのかな…




…最後の最後で……
…ごめんなさいって事?!


…いやいや…まさか……


…そんな事ないよね…(汗)



…現に、友達OKしてくれたし…



…電話番号も交換したし…



……一体……何故??



…《Why?》ってタイトルの歌でも書けそうだな…へへ(笑)




……って
…笑ってる場合じゃないか(汗)


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