― ONE LOVE ―
洋人は、高鳴る鼓動を押さえながら眠りにつく。
千春は、ツトムを失ってしまった悲しみ、ツトムを取り戻す事ができると信じる思いとが、部屋中に交差していた。
【千春の心】
…ツトムかと…思ったのに…
…もう!誰よ!
…こんな夜中に電話してきて!
……紛らわしいぃ…よ…(泣)
年が明けて最初の夜。
外は冷たい風が吹き抜ける。
正月という事で、深夜にも関わらず、街の明かりは―
深い空を延々と照らす。
千春は、ツトムへの気持ちを抑えられなかった。
―――――‐‐―‐
―――‐
【千春の心】
…電話………しよう…。
……何を話せばいいか……
………分かんないけど…。
………声が聞きたい………
……………でも……
…やっぱり……
……………ダメだよね…
笑顔で別れてきたのに…
…今更ツトムに泣きつくなんて
……………できないよね…(泣)