― ONE LOVE ―

『おい!シン!!コーラスの部分のドラムの叩き方違うじゃんよ!!ハイのシンバルも弱いし!!』




「あっ…ごめん…」




困った顔をしたシンを見て、アキが直ぐ様、洋人に言う。




「洋人!テメェも、最初のイントロんとこしっかり弾けよ!音がゆるいんだよ!」



【洋人の心】
………………チェッ!




音楽に関しては、人一倍自己主張の強い洋人。加えて、アキの方も自己主張が強く、いつもぶつかり合う二人。気弱なシンはいつも、その二人に押されっぱなし。




バンドの練習は、そんなゴタゴタを繰り返しながら、三時間程続いた。



―――――――――
―――――‐‐



「そんで洋人!新曲書いてきたのか?この前のライヴ終わった後、¨泣かす歌がないと客は来ねぇ¨なんて張り切ってたけど……」




『ヘへッ…。書いて来たよ!!とびっきりのやつ!!今から聴かせてやっから…!
……………泣くなよ(笑)!』


< 42 / 119 >

この作品をシェア

pagetop