― ONE LOVE ―


いつの間にか、子供も連れの母親や仕事帰りのOL達の声は消え、高校生の騒ぐ声と洋人達三人のため息だけが、ファミレスの空気を満たしていた。



―――――‐―
――――‐



洋人は四杯目のホットコーヒーを飲み終え、アキはテーブルに項垂れ、シンは鳴り止まない親からの電話に何度も言い訳をする。



時間は、午後10時をまわった。



「あっ…そうだ!まず、洋人の失恋の話でも聞こうや!何かイイの思いつくかも!」




「…そうだね!洋人くんの話を聞いてた方が、タイトルつけやすかもね!!」




【洋人の心】
…ぇぇ。なんか…イヤだな……。

…まぁ、自分でも良いタイトルつけれないんだし…しょうがないか……




洋人は、新曲の元ネタである、失恋の話を、少し大げさにしながら、二人に話した。


――――――‐‐‐



そして、三人はまた、黙り込む。






【洋人の心】
…なんかどうでもよくなってきたなぁ…。



『もう帰ろうぜ!時間も時間だし、シンの親も心配してるし…』



「そうだな…。また次考えようぜ!…よしっ、シン帰ろうぜ!」



「…………………。」




『おい!シン!帰るぞ!』



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