― ONE LOVE ―
シンは、自分の体の震えを、抑えるのに必死だった。


「シンイチ…。

…父さんは…。
お前が、そばにいてくれれば…
……それで、いいんだよ……」


―――――――‐‐



シンの父親は、実の父親ではない。実の父親は、シンが生まれてすぐに、別に女を作って出ていった。そして、シンが小学3年生の時、シングルマザーだった母が再婚したのが、現在の父親である。


しかし、その数年後、シンの母は重い病に倒れ、他界した。
残されたシンは、一度は祖母の家に引き取られたものの、現在の父親の必死の訴えもあり、その父親とシンの二人で生活をしていた。



――――――――‐‐





「…もう…イヤなんだ…
…そういうの……(泣)」





「?!…ダ…ダメだ(怒)!…

…どうしたんだシンイチ……

…お互いの愛を確かめ合う事の

…どこがイヤなんだ(怒)!」


―――――――‐‐


シンの父親は、シンが中学生になった頃から、シンを溺愛し、行動や言葉遣い、友達関係に至るまで、シンの身辺を規制し、さらには身体までも求めてくるようになっていた。




―――――――‐‐



父親の体が、極度の震えで動けないシンへ、ゆっくり近づいてくる。



「い…イヤだ!



…や…やめて……




やめてよぉぉおお……(泣)!!!!


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