― ONE LOVE ―
ツトムは千春の反応に、少し気を使いながらも冷静だった。


「ん~、ゲイというか……、バイセクシャルとけど…。」


【千春の心】
……そんな違いがわかんないよぉお!!しかも、その違いは、私にとってどっちでもいいし~。…ツトムが同性愛者…。


千春は、とりあえず冷静を装い、一度深呼吸した。


―――‐‐

『…で、…いつからゲイなの?』


「だけん、ゲイじゃなくてバイの方ったい!ん~、こう言えばわかるとかな…、同性愛者やなくて、両性愛者!どっちでも大丈夫って事たい!」


【千春の心】
…えっ?!?!ぇぇえええ?!


『ちょっちょっと、…トイレ!!』


千春は、一旦落ち着こうと思い、人混みを掻き分け、何年ぶりかの全力疾走で、トイレへ向かった。



【千春の心】
…騙された。ツトムに騙された。ひどいよツトム…今さら”男が好き”だなんて……。

…んっ、待って…。でも、ツトムは”どっちでも大丈夫”とか言ってたよね…。
女も好きだし、男も好き?!…

何それ……、贅沢なんじゃない?!しかも…ツトムは、あのテツオって人とエッチな事も………

じゃあ、掘る方?掘られる方?どっちなの………。
ヤだ!私、何考えてんだろう!!バカバカ!って事は、まだ私と別れたわけじゃないのに、あのテツオって人と付き合ってるって事だから………??
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