― ONE LOVE ―
【思い出】
『うわぁ~!!かなり詰まってるねぇ~!』
「ホント…。これじゃ…あんまり、バンド見えないねぇ。」
―――――‐‐
千春とアッコは、ライヴハウス内の雰囲気に圧倒されながら、入場した。
―――――‐‐
「千春!ちょっと、ビールとってくるから、ここで待ってて!」
『あっ…うん!お願い!』
【千春の心】
…やっぱり女の子多いなぁ…
あっ…そういえば……
一度、ツトムとも行った事あったなぁ…懐かしい…
あの時、私よりツトムの方が…ライヴ楽しんでたよねぇ………私ったら、ライヴ見るよりも、…ツトムの事ばっかり見て………(笑)
周りの人達がノリノリで……どんどんツトムと離れていきそうだったから、……ツトムの上着の端っこ、…
…ギュッと掴んだりして……
でも…今日は…
ツトムはいない……
あっ…“今日は”…じゃなくて…これから…ずっとだ………
―――――‐‐
千春は、ツトムと一緒にライヴに行った日の事を、思い出していた。