華〜ハナ〜Ⅱ【完】
「結都?どうしたの?」
「なんでもない……」
正直、結都に抱きしめられるなんて考えてなかった。
少し苦手な気がするし、結都も私にはあまり触れたがらなかったから。
「帰るか………」
そこらじゅうに人が倒れている中で男女二人が立っている光景は、少し変だろう。
私は大人しく結都について行った。
二人を乗せたバイクはうるさく、だけど快適に私たちを運んだ。
結都は真っすぐ城に帰る訳ではなく、大きな公園に来た。
「悪い。少し付き合ってくれ。」
「いいわよ。」
公園のベンチに座ると、結都はコーヒーを買ってくれた。