華〜ハナ〜Ⅱ【完】
「学校を休むわ。だから、城へも行けない。」
「……なんでだ?」
聞かれると思った。
私は、考えていた答えを口にする。
嘘では、ない。
「お墓参りに、行ってくるわ。」
名倉ルカという人は、明日が命日らしい。
だったら、明日行ったほうが良いだろう。
親が、頼んできたのだから。
「……墓参り?」
「ええ。知り合いの、命日なの。」
蓮士は一瞬眉を上げた。
でもすぐに、「なんかあったら電話しろ」と。
許可を出してくれた。