華〜ハナ〜Ⅱ【完】
あの日俺は侑希に言ってしまった。
言うつもりなんかなかったのに…
「何を見てる?」
なんて。
俺があんなことを言わなかったら侑希のあんな辛そうな目を見なくて済んだのか?
無表情な侑希の顔にたまに見る、どこか遠くを見つめたような目。
それを見るとどうしようもなく不安になっちまう。
侑希がどこかに消えてしまいそうで。
近くに居ないと、落ち着かない。
…女なんか、遊ぶ程度にいればいいと思ってたのにな。
一人の女に会って、変わっちまった。