華〜ハナ〜Ⅱ【完】
李玖の過去/ルカの言葉
「あたし、今日、病院を抜け出したの。」
「…知ってる。」
「……李玖にね、会いに行こうとしたの。」
「………っ…」
俺が、早く来てれば……
そんな思いが、心を埋め尽くす。
「…学校で笑ってる李玖が見てみたかったの。」
だから、早く来てくれてもね~と軽い調子で話す。
「……それに、最期まで思うように動けないなんて、嫌だった。
やりたいことやって、普通の子達みたいに走り回って遊んでみたかった…っ!」
ぽろぽろと涙をこぼして、それでもなお話し続ける。