華〜ハナ〜Ⅱ【完】
「忘れないでって言われたことなんか、忘れたらいい。李玖は、そんなこと言われなくても、ルカさんのことを忘れないわ。」
「そんなこと、」
「分かるわよ。」
李玖の言葉を遮って、続ける。
「そんなに、ルカさんとのことを詳しく話せるんだから。違う?」
「でも、」
「それとももう顔も思い出せないの?」
「…思い出せるさ。顔にあったほくろの数だって、分かる。」
その言葉に、ふ、と笑みを作る。
「じゃあ、李玖がルカさんのことを忘れるなんて、ないわよ。」