華〜ハナ〜Ⅱ【完】
「なんだ?侑希、陽斗さんのこと知ってんのか?」
「いや、だから知らないってば…」
李玖が冷やかすように言う。
「陽斗さんはかっけーもんな!うんうん。」
一人で喋って納得してるからいいけど…
「侑希、」
柔らかい声がして、支えてくれていた蓮士が私の手を引く。
蓮士の隣に立たされて、陽斗さんをはじめとする初代幹部に向き合う。
「コイツが、俺らの桜華の姫です。」
…姫、なんてガラじゃないけれど。
それを否定出来るような空気じゃない。
幹部たちだけじゃなく、桜華のみんなの視線がこっちに向いているのが分かる。
陽斗さん、理仁さん、和泉さん、輝さん、竜さん。
5人の視線が私に突き刺さる。
「ま、お前にはもったいねえ気がするけど。」
ふっと笑って陽斗さんが沈黙を破る。
「…決めたからには、護れよ?」
「はい。」
なにやら、私は初代にまでも認められてしまったらしい。