華〜ハナ〜Ⅱ【完】

桜華の歴史の1ページ




陽斗side


俺が中学校に入ったばっかりのとき。

ひとつの噂が子供の夢を膨らましていた。




“街の一番北にあるコンビニには最強の男がいる。”


そんな、噂。


“だから近づいちゃいけない。”


とも言われてた。




中学の先輩で、ちょっと悪い人たちが集団でそのコンビニに行って実際ボコボコになって帰ってくるっていう、ホントの事件もあった。



それは、大人である先生も、警察すら近寄ろうとはしないコンビニとして有名だった。








中一の冬。



俺は反抗期ってやつで荒れまくってた。


親は俺に何にも言わなかったし、学校では先生すら俺と距離を置いた。



髪の毛は茶髪、金髪、赤髪、と何度も色を変えた。


新しいピアスを買うたびに耳の穴は増えた。




盗んだ単車で適当に走ってたら、例のコンビニの近くにまでいってしまった。







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