華〜ハナ〜Ⅱ【完】
「…んだ、てめぇ。」
俺はその見た目から、すぐに万引きするやつ、って思われやすかった。
だからその女もそう思ってんのかと思って。
…てか、俺万引きとかしたことなかったし。
今もないけど。
女は、俺がガンつけたのに眉ひとつ動かさなかった。
それがまた、俺の神経を逆撫でた。
「てめぇ、くそアマがぁ!」
俺、マジ餓鬼だったから。
女に掴みかかったんだ。
でも、それでも女はピクリとも表情を変えなかった。
女を殴ったこととかなかったし。
掴みかかったのはいいけど、どうすりゃいいか分かんなかった。
「おいおい、何してんだよ~」
そのとき、そんな声が俺にかけられた。