華〜ハナ〜Ⅱ【完】
暁斗の正体
わいわいがやがや。
言葉で表せば、まさにそんな感じ。
城の中はこれでも勝手くらいに騒がしい。
…そしてその真ん中には“彼”がいる。
笑顔でみんなと話す“暁斗さん”を私は黙って眺めていた。
「…侑希さん?」
「あら、弘夜…」
「疲れたんスか?あそこにいかないんスか?」
「…そうね。少し疲れたのかも。」
弘夜は純粋に心配してくれているらしい。
「…蓮さん、楽しそうっスね。」
「そうね。」
「暁斗さんって、不思議な人ですね。」
「え…?」
不思議?
どこがかしら?
「初対面なのに、メンバー全員と馴染んでるとことか。さすが桜華の創始者って感じですね。」
…なるほど。