華〜ハナ〜Ⅱ【完】
私は、無意識にカタカタと震え出した。
……止まれ……っ…
震えたくなんか、ないのに…
私はここにいると“栗栖侑希”を保っていられなくなる…
「侑希……?どうした?」
多分、さっき肩に手を置いた結都だろう。
きっと戸惑っているに違いない。
「…帰りたい。……家に。」
私は小さく小さく言った。
自分で自分を抱くようにして。
「侑希……」
心配そうな声を出す蓮士。
でも私は俯いているためその顔は見えなかった。
「帰りたいの……早く。」
――…こんなの、私じゃない。
この間、安定したと思ったのに……
私はまたこんなにも不安定になってしまったんだわ……