華〜ハナ〜Ⅱ【完】
「…分かった。でも、バイクでいいか?」
私はその言葉に力無く頷き、歩きだした蓮士について行った。
目を固く閉じて、バイクが切る風を感じる。
かなり強く吹き付けていた。
…風も、落ち着かない。
私の影響だろう。
私が落ち着かないから風も荒れる。
それでも風は、私を包み込み落ち着けようとしているのが分かった。
そしてそのまま風にも体を預けるようにして家に着くのを待った。
「侑希、着いたぞ。」
「ありがと……」
「……連絡、しろよ?」
「………ん。」
私はさっとバイクから降り、足速にマンションに入った。
バイクが走る音は聞こえない。