華〜ハナ〜Ⅱ【完】


私は風を使って階段を上がった。


もう時間も遅いため、人に見られる心配はない。


しかも、エレベーターより断然速いし。






バタンッ


家に入った私は真っ先に浴室に向かった。



そこは、全体を黒に覆われた空間。

私を落ち着けてくれる空間なのだ。



「…っ…は……」




うまく息が吸えず、声にならない声が出る。


奥歯を噛み締め、感情を押さえ込む。





…―――苦しい。


助けてよ、マスター……―――







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