華〜ハナ〜Ⅱ【完】
そして私はこの間まであの場所にいた。
かなり不安定になっていたから…
それと、マスターのヤキモチらしいけど。
とにかく、マスターのおかげで心が安定して“栗栖侑希”でいられたのに…
やっぱり月華でいた場所に行くと、戻ろうとしてしまうらしい。
はぁ…一人で落ち着いて考えてみるとかなりヤバいかもしれない。
きっと全員が不信に思ったに違いない…
しかも、嘉には疑われているだろうし。
月華がMOONに所属していることは誰でも知っている。
嘉は私と月華の関係を勘ぐっているだろうし。
私が月華だと思っているかもしれない。
――…そうなると、私は嘉を消さないといけないのかしら?
私は電気も点いていない浴室で頭を抱えていた。