華〜ハナ〜Ⅱ【完】
「おはよう、侑希ちゃん。」
「おはよう、嘉。」
学校に行くと、久しぶりに朝から嘉が教室にいた。
私の席の、後ろ。
「昨日は大丈夫だった?」
「ええ。ごめんなさいね。」
嘉の探るような目は少し苦手。
作った笑顔と同じくらいね。
「話しがしたいから…今日、みんなに話すわ。」
昨日の夜に考えたことを、話そうと思う。
それで納得してくれたらいいんだけど…。
「分かったよ。でもね、侑希ちゃんは逃げられないよ?」
怖いことをサラッと言わないで欲しい。
つまり、桜華から逃げられないってことでしょ?
逃がす気がないってことね。
「逃げるつもりなんてないから。」
…今は、ね。