華〜ハナ〜Ⅱ【完】
「え…………」
「だから、月華が憎い。MOONは嫌い。あの場所も、思い出すから行きたいところじゃない。」
目は伏せて、淡々と話す。
本当だけど、ある意味嘘ばっかりの私の言い訳。
…両親が月華に殺されたんじゃない。
私が月華として殺した。
…月華が憎い?
まぁ、自分は好きじゃないけれど。
…MOONが嫌い?
マスターがいればなんでもいいの。
なんとも思わない。
…あの場所は行きたくない。
それは本当ね。
栗栖侑希としてはあの場所に行きたくはない。
「侑希ちゃん…」
「何?」
「そんなこと、話して大丈夫なのかよ?」
李玖が、心配そうに眉をよせている。
「ええ。いつかは言わなきゃいけないことだから。」
もう、割り切ってるのよ。
言わないことばかりじゃここにはいられない。