華〜ハナ〜Ⅱ【完】
第四章
李玖の変調
気付けば、季節はもう梅雨が終わって夏になっていた。
あれから、みんなは私を詮索しない。
嘉とは個人的に話したけど。
前と同じような生活をしている。
「あつ〜……なんでここにはクーラーないの?」
机に寝そべって楓が溶けてる。
李玖はケータイで何かしている。
「ここは使われてない教室だからね。」
そう言う嘉も、暑いのはいやなんだろう。
扇風機を持ち込んでいる。
「もう城にいたいんだけど〜」
そんなことを言っても、ここからは出ない。
…テストってものがある。