華〜ハナ〜Ⅱ【完】
暴走
私は今、久しぶりに城の前に立ってる。
「でかいわね…」
大きな建物には慣れた気がしたんだけど…
久しぶりに見るとやっぱりでかい。
「こんちはっス!!!」
「侑希さんお久しぶりっスね!!」
「元気でしたか〜?」
いつもと変わらないみんな。
中に弘夜や大志を見つけて、少し微笑む。
すると二人も笑い返してくれた。
…いつもと変わらないみんな。
――だけど、違うことがある。
「蓮士、」
私は前を歩く蓮士に声をかける。
「…なんだよ。」
私が蓮士にだけ連絡しなかったから、拗ねているらしい。
少し低めの声。
「今日、なにかあるの?」
私は構わずに、城に来て思ったことを尋ねた。