まあるい固体の上で【詩集】
カン違い
『人間は何か
大きなカン違いをしている』
「動物、って何?」
動くモノは人間だってそうだよね
じゃあ
なぜヒト以外のモノは動物で、
ヒトは人間、と呼ばれるの?
なぜ
「吸血鬼や妖精、ネバーランド は空想のモノなの?」
何でヒトはそれを信じる人を呆れた目で見つめるのだろう。
じゃあ“いない”という証拠は
あるのかい?
「なぜ動物をペットと呼び、
ヒトは動物を
“飼っている”といい、
食べ物を餌と言うの?」
一緒に暮らしてるのは
種族を超えた
“家族”という存在だからじゃないの?
「なぜヒトはヒトをいじめるの?」
ああ、そうか。
自分の弱さを
必死になって隠す為か。
「なぜ私達は
カン違いに気付かないの?」
ああ、そうだ。
当たり前という土に埋もれて、
私達はその上を平気で歩いてるからだった。