まあるい固体の上で【詩集】
オアシス
人は砂漠の中にあるオアシスと呼ばれる場所を“憩いの場所”だという。
何もないまっさらな砂漠を
手探りで歩いて
喉が枯れた時に現れた
水の塊をオアシス、と呼ぶ。
そして誰かが目に溜め、
そっと流れたその水が
溜まったその場所も
飢えた人々はオアシスと呼ぶのだろうか。
飢えた人間は
水を求めてオアシスの水を飲み、
命を繋ぐ。
誰かを犠牲にして
人は何かを得るんだね。