空に輝く夏の夢。

バッテリー




「俺が居なかったらどうしたんだよ?」

「受験費と交通費の損やな」


受験費と交通費の損?
そんな簡単なことじゃないだろう。


こいつは、毅は、膨大なリスクを背負って谷津高を受けたはずだ。


…俺の球を捕る為に。



翔太は毅に軽く微笑みかけた。



「頑張ろうぜ」

「おぅ!行ってやろーや」

「「甲子園」」


二人の声が重なり、ニヤリと笑い合った。





行くさ。行ってやる。行ける。
甲子園。



スタンドや、ベンチじゃない。



あの、グラウンドで。
赤土の上で。
輝くマウンドで。





絶対に、プレーしてやる。



< 10 / 34 >

この作品をシェア

pagetop