空に輝く夏の夢。
バッテリー
「俺が居なかったらどうしたんだよ?」
「受験費と交通費の損やな」
受験費と交通費の損?
そんな簡単なことじゃないだろう。
こいつは、毅は、膨大なリスクを背負って谷津高を受けたはずだ。
…俺の球を捕る為に。
翔太は毅に軽く微笑みかけた。
「頑張ろうぜ」
「おぅ!行ってやろーや」
「「甲子園」」
二人の声が重なり、ニヤリと笑い合った。
行くさ。行ってやる。行ける。
甲子園。
スタンドや、ベンチじゃない。
あの、グラウンドで。
赤土の上で。
輝くマウンドで。
絶対に、プレーしてやる。