空に輝く夏の夢。
パスボールは0に等しく、ワイルドピッチもすぐに捕り、ベースカバーに入ったピッチャーにご自慢の肩で的確そして速いボールを返す。
打球は豪快なアーチ。
もちろん、ヒットも放つ。
ガタイがデカいのに、足が速い。
高校推薦は5校からもらっているらしい…─
そんな噂が流れていた。
その本人が、こいつ?
「噂は聞いたことある…。川中にすげーキャッチャーがいるって」
「俺、めっちゃ噂なってたらしいな!受験とき、よー声かけられたわ」
毅はフェンスを飛び越え、翔太に近づく。
「どこ行くんだ?」
「谷津(やづ)高!」
「一緒だ」