びたーがなっしゅ。
「いちぉ、持ってきた……けど」


持ってはきた。
だけど、あげるかはまだ迷っていた。


「良かった」
「けど、あげるって決めた訳じゃ……」
「分かってるって」

「けど、涼空、絶対喜ぶと思うよ」

「そうかなぁ……」

「放課後、委員会あるからさ。多分クラスで待ってたら来るよ、涼空」
「……待ってるコ多そうじゃない?」

私がそう言うと、美莉は「違う違う」と否定した。

「涼空のクラスじゃなくて、うちのクラス」

うちのクラス……?

「……何で?」
「なんとなく♪」


その時、担任の先生が教室に入ってきて、
理由を聞く間もなく美莉は席に戻ってしまった。


……何でだろう?
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