だから、ずっと
「選べん……」
どっちかなんか……
選べんよ……うちには。
菜々香……
「…っ…………」
入試前日、うちは泣きながら眠った。
「……………」
朝、目は真っ赤に腫れていた。
菜々香はスッキリした顔やった。
「おはよ。」
「おはよう。菜々香も乃々香も今日は頑張ってや!お兄ちゃんに続いて双子揃ってS学園なんてお母さん鼻が高いわ!」
なんて浮かれてるお母さん…
「うち落ちるかもやで?」
笑いながら言うけど…冗談になってない……
うち、落ちる……
「大丈夫!乃々香ちゃん頑張ってたんやから!」
菜々香?
「そうやで、乃々香にも受かってもらって寮に入ったら菜々香をサポートしてもらわんと、な!」
サポート?うちが?
菜々香を…………?
「そうやな…うち…菜々香のお姉ちゃんやし!頑張るわ!」
「うん!」
一見、普通の会話。
やけど…うちの心はズタボロやった。
菜々香のサポートなんか…
できひん。