だから、ずっと


泣きつかれて、眠った乃々香。
こいつはほんま…よぅわからん。


「……………」


強気やと思ったら、急に弱気になる。
本人は気づいてないけど、たまにめっちゃ不安げな顔をする。


“嫌われたくない”


さっきの本音にびっくりした。
誰にでも言いたいことを言って、アカンことにはアカン。良いことを素直に認める。


やから、こいつは周りなんか気にしてないと思ってた。
やけど、実はめっちゃ繊細で…綺麗。


俺は…護ったらなアカン。
そう思った。


俺のヒーローやった………
乃々香のバスケがめっちゃ好きで…俺も近づきたくて必死にやった。


こいつのおかげで、今の俺がある。
たぶんハルもそう思ってる。


今の乃々香は弱い。
やから俺が護る。


こいつが笑ってられるように…………
友達として……絶対に。


「大丈夫や。」


そう言って、俺は保健室を出た。



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