群青



そうみーちゃんは言ってから、一つ深呼吸をした。


深くて、長い。


意を決するようなそれ。


そしてみーちゃんは続ける。


「私ね。……お義父さんに、襲われたの」


「襲われた?」


それの意味する事に、初めはピンと来なかった。


というか、むしろその考えは一番最初に僕は放棄していたのかもしれない。


一番考えたくない事だから。


僕は聞いた。


「……それって、つまり」


「犯されたの。私」


お義父さんにね。




そう呟いたみーちゃんは、何故か笑っていた。


「私、汚されたの。お義父さんに」


みーちゃんは続ける。忌憚なく、被害者としての自分を露わにして。


「だからね。夏君。私はお義父さんが憎いの。殺したいの。だからお願い夏君。私と一緒にお義父さんを殺して」


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