群青
「っ!?」
僕と同時にその男子に視線を向けたみーちゃんはまるで、その男子から逃げるように一目散に教室から出て行った。
入れ替わりで入って来た男子は「え?何?神奈川ってば女子泣かしてんの?」と軽口を叩きながら僕へと歩み寄ってくる。
僕は何も答えない。
ただすぐに懸念が湧く。
彼。
大友は僕とみーちゃんの会話を聞いていただろうか?
もし聞かれていたならかなり面倒だ。
どうする。
鎌でもかけてみるか?
「なぁ大友、さっきの話聞いてたか?」
「聞かれちゃマズい話なのは今ので理解した」
墓穴掘ったみたいだな。僕。余計な事した。
「あ~、勘違いすんなよ神奈川。俺はお前らの会話なんて聞いてないからな」