群青



「っ!?」


僕と同時にその男子に視線を向けたみーちゃんはまるで、その男子から逃げるように一目散に教室から出て行った。


入れ替わりで入って来た男子は「え?何?神奈川ってば女子泣かしてんの?」と軽口を叩きながら僕へと歩み寄ってくる。


僕は何も答えない。


ただすぐに懸念が湧く。


彼。


大友は僕とみーちゃんの会話を聞いていただろうか?


もし聞かれていたならかなり面倒だ。


どうする。


鎌でもかけてみるか?


「なぁ大友、さっきの話聞いてたか?」


「聞かれちゃマズい話なのは今ので理解した」


墓穴掘ったみたいだな。僕。余計な事した。


「あ~、勘違いすんなよ神奈川。俺はお前らの会話なんて聞いてないからな」


< 15 / 62 >

この作品をシェア

pagetop