群青
2,昔々
★ ★ ★
むかーしむかし。
とある子供がいました。
子供は幸せの中にいました。
……幸せとはどういう事か、さっぱりな子供ではありましたが。
それでも幸せと言う言葉を使うのに一片の疑念も湧きませんでした。
優しい両親がいて、楽しい友達がいる。
小学校での毎日は最高だった。
楽しかった。
けれど人生において事象と言うのは余りに刹那的で、余りに諸行無常。
諸行無常はただ単に使ってみたかっただけだけど。
諸行無常はさておいて。
さして長くもない自分の人生では間違いなく、最高の時だったと言える。
けど何事にも終わりは来る。てか来た。
幸せの崩壊とは音もなく近づいて来て、壊れるのはあっという間の事なのだ。