群青
4,事後
★ ★ ★
小さな街で起きた火事は、退屈しのぎの話題としてはそこそこに重宝したようでクラスはおろか部活中でさえその話題で持ち切りだった。
更には死人までいるのだ。
その話題で盛り上がるのは不謹慎と言うものだけど、盛り上がるのは仕方ない事。
狭い町だ。話題は共通する。
かくいう僕もその話題を振られてはいた。その度に苦笑いしながら「寝てたから」と避けている。
あまり触れたい話題ではないから。
けれどまさか、部活までその話題が追ってくるとは思わなかった。
そんなに共有したいのか?こんな話題が。
「あの火事の現場見たか?俺なかなか早い段階で言ったんだけどすげぇな本物の火事。やべぇよ」
そんな頭の悪い発言をしているのは名取だった。
「超火事熱いのな。死ぬかと思ったぞアレ」