群青
さほど広くない部室で名取はまるで自分の武勇伝かのように他の部員に声高々に言い聞かせる。
迷惑以外の何ものでもない。
てゆうか先輩達も流石にクラスで散々喋ったのだろう。
やや飽きてるようだ。
「そういえば名取先輩。あの燃えた家ってうちの高校の奴らしいですよ?」
そんな余計な事を言ったのは、……誰だこの人。
見たことはあるけど名前は知らない。と言うか覚えてない。
まぁ余計な事を言ってくれた先輩だ。
覚える理由はない。
「マジかよ!?誰だよソイツ。捜すべ」
コイツは本当に何を言ってるんだろう。
頭が悪いどころの話じゃないだろ。こんな日に限って部長は委員会の集まり。
大友は職員室に呼び出し。何やったんだアイツ。
それはさておいて。
二人が来るにはまだしばらくは掛かるようだ。
僕は先輩達に見切りをつけ、先に部室を出て校庭に向かった。