花かがり【Hana Uta】

┗ クロユリ

― 黒百合 ―


ボクは 本当に キミを
愛していたのだろうか
ボクは 本当に キミに
愛されていたのだろうか
今となっては 分からないまま
時間(とき)と想い出だけが
通り抜けてゆく

揺れる心は いつも危な気で
ゆらゆらと どこかへ
飛んでゆきそうで
ただただ じっとしていた

真っ白な心は
いつまでも 真っ白のままで
真っ黒な心は
いつまでも 真っ黒のまま
染まることはない

苦しいのに
辛いのに
淋しいのに
満たされぬ カラっぽの心は
いつまた 埋まるというの…


好きだった心を 忘れ
想い出さえ 忘れゆくのだと…
二度と 思い出すことさえ
ないのだと…

いつしか 心と躰は
別々に 一人歩きしはじめる

悲痛なまでの 心は引き裂かれ
ボロボロになっていた
泣き叫ぶことも
わめき声すら 出せずにいた

狂おしい程までの恋は
朽ち果て
残骸だけ 残したまま

キミと どこへ
行けばいいというのだろうか…




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