ウサギとヒツジと時々オオカミ!?


「おはよ!」


「おはよぉ…」



学校に着くと転入生の話で持ちきりで、由季との朝の挨拶もどことなく元気なく言ってしまった。

由季は、肩をポンッと叩いて



「今日、帰りどっか行かない?」



何て、また気を使わせてしまった。



「ぁ、あのさ…聞きにくいんだけどさ」


「どしたの?何?」



由季は、思い出したかの様に私に何かを言いたそうにしてた。

私が普通に聞き返すと



「どして昨日、分かったの?吉川和也って…」


「ぇ?」


「ほら、小学生の頃から会ってない訳じゃん?相手も変わっただろうしさ!だから…どしてかなぁって。」


「……目……だよ。」



私の答えに由季は少し首を傾げた気がした。



「私、アイツとは何でか分かんないんだけど目がよく合ってたんだよね。」


「憎たらしい目付きを覚えてたって訳だね(笑)」


「そうそう!」



昨日、私達が騒いでた時にチラリと上を見たアイツの目。

顔とかは大人っぽくなってたけど、あの目だけは変わってなかった。

睨んでる様な目付きじゃなかったけど、何でか吉川和也って分かったんだよね…。


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