ウサギとヒツジと時々オオカミ!?
「うまっ!?」
「本当?私、こんくらいしか出来ないから…」
「優美、天才だね?」
「大袈裟だよ~」
吉川君は、それからパクパクと沢山あったクッキーを全部1人で食べてしまった。
私も一緒にちょこっと食べようと思ったのに…
「もしかして、昼の弁当も優美が作ってんの?」
「うん…お母さん仕事早いから」
「なら、俺にも作ってよ?」
「お弁当は美味しくないよ!?」
「いっつもうまそじゃん…な?」
吉川君、本気で言ってる。
でも、いっつもコンビニのご飯だったよね確か…
「俺さ、小学生の時結局両親離婚して親父と暮らす事になってから弁当…とか手料理食ってねーんだよね」
どことなく悲し気に言う吉川君。
「うん…なら、私作るよ!美味しくないかもだけど」
「優美が作ってくれるだけで嬉しい!」
笑顔の吉川君のが好きだよ?
たまに見せる寂しそうな、悲しそうな顔。
私は、それを笑顔に変えてあげたい…