ウサギとヒツジと時々オオカミ!?
―kazuya.side―
優美達と別れて、俺は意味も分からず直人と俺の家とは逆方向に向かってる。
「何だよお前?」
「別にー、兄ちゃんと久々あったからさー」
分かんだよな?
直人、お前が何かあって俺を付き合わせてんのは。
「ってのは口実で」
「だろーな」
ほらな?
「俺さ、優美さんの事気に入っちゃった!」
「は!?」
「本当、父さんが言った様に兄ちゃんには勿体ないね?」
直人から出た言葉に、立ち止まった。
俺は想像出来てなくてただ、驚いたって感じの表情しか出来てなかったと思う。
でも、冷静になるとコイツの言ってる意味が分かった。
「お前、本気で言ってんの?」
「勿論?」
直人の、ムカツク笑顔…
「調子乗んな!?」
「まっ、俺は俺なりに勝手にするからー」
直人はそう言うと、俺に何も言わせないまま手をヒラヒラ振って帰っていった。
アイツ…何考えてんだよ