ウサギとヒツジと時々オオカミ!?
私が何も言えずに立っていると、由季が私の手を握って店を飛び出した。
「お客様!?」
店員の呼び声に、耳も傾けずに私より必死に吉川君に駆け寄る由季。
「ゅ、由季」
私の声も届いてない。
「ちょっと、アンタ!!」
由季は、私から手を離すと愛菜の肩を掴んだ。
「ぁ、和也の彼女の友達さん!」
吉川君がいるから?
この間とは違う可愛らしい声。
「吉川、何してんの?」
「何って………優美…」
由季に驚いてた吉川君は、私に今気付いたみたい。
「と、友達だし…遊ぶくらい……あるよ…ね」
「……………」
私が途切れ途切れに言うと吉川君は何も言わない。
どうして黙ってるの…?
「言いたくないけど…」
由季…言わないで……
「私は、和也によばれたんだよ」
ぁ………駄目だ。
もう、駄目。
由季から出ようとした言葉はわかってた。
でも、それより先に愛菜からの言葉に私はその場を逃げる様に離れた。