ウサギとヒツジと時々オオカミ!?
「ぇ……ぁ……」
私は、何が何だか分からず目の前に立つ人を見上げた。
…吉川君……だよね…
何で?
周りがざわめくのが分かる。
私だって意味分からないよ。
由季の「席、こっちだけど」って吉川君に声を掛けたみたいだけど、吉川君は聞いていない。
ただ、私を見下ろしてる。
そして、私も吉川君を見上げて見てる。
ぁ…あの目……。
「優美……」
「ぇ…?」
「ずっと……逢いたかった…」
……は………?
クラスがさっきよりざわめいてる。
私も開いた口が塞がらなかった。
だって、何?
何言ってるのこの人…。
「何だ、2人は知り合いか?…吉川、とりあえず席に着きなさい」
先生に声を掛けられた吉川君は、その後は何も言わず自分の席へと着いた。