ウサギとヒツジと時々オオカミ!?


教室へと戻ると、皆はもう移動してて何故か吉川君だけが居た。



「ぁ……あの優美…」


「…………ッッ!?」


「な、何よ!!」



吉川君は、私達に気付くと教科書を持って立ち上がり名前を呼ばれた。

何で呼び捨て?
小学生の時なんて『お前』だったのに。

何も返事が出来ない私に、由季は身構えた様に変わりに返してくれた。



「君じゃなくて…」


「私、優美に色々聞いてんの!だから、変わりに私が聞き返したの」



由季の癖が出た。
いつも自分の事を『由季』って言うのに、ムッとしたりすると『私』に変わる。



「そっか…なら、昼休み一緒にお昼いいかな?」


「はぁ!?」



由季は、意味分かんないと言うように間の抜けた返事をした。
私も同じだった。

何で急に一緒にお昼?
しかも、何か仔犬みたいな目してるんですけど…。

この人、本当に吉川君?

由季が言った様に、本当に心入れ換えたのかな?



< 20 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop