ウサギとヒツジと時々オオカミ!?
教室へと戻ると、皆はもう移動してて何故か吉川君だけが居た。
「ぁ……あの優美…」
「…………ッッ!?」
「な、何よ!!」
吉川君は、私達に気付くと教科書を持って立ち上がり名前を呼ばれた。
何で呼び捨て?
小学生の時なんて『お前』だったのに。
何も返事が出来ない私に、由季は身構えた様に変わりに返してくれた。
「君じゃなくて…」
「私、優美に色々聞いてんの!だから、変わりに私が聞き返したの」
由季の癖が出た。
いつも自分の事を『由季』って言うのに、ムッとしたりすると『私』に変わる。
「そっか…なら、昼休み一緒にお昼いいかな?」
「はぁ!?」
由季は、意味分かんないと言うように間の抜けた返事をした。
私も同じだった。
何で急に一緒にお昼?
しかも、何か仔犬みたいな目してるんですけど…。
この人、本当に吉川君?
由季が言った様に、本当に心入れ換えたのかな?