ウサギとヒツジと時々オオカミ!?
「どうしたんだ?」
「お家…帰ろ?」
「何でだ?お前も帰りたくないんじゃなかったのか?」
俺は、何でか少しムッとした。
こいつは俺と同じなんじゃないのか?って勝手に決め付けてたから…
でも、違うって今なら分かる。
「ここに居ても何も変わらないから…」
優美の言葉…。
俺も分かってんだ。
帰るきっかけが掴めなくて、優美と一緒に居て心地よくて…
いつの間にかこんな時間になってて…。
「帰ろ?」
そう言うと先に優美が立ち上がって、俺に手を差し出してきた。
何も言えない俺に差し出された手…。
握ってみたら、寒いせいか温かく感じて公園を出るまで繋いで歩いた。
公園を出てからは、帰る方向も別々だったから自然と手も離れてお互い何も言わずに背を向けて帰った。
帰り、俺は優美の事ばかり考えてて直ぐに家へと帰り着いた。
これが俺の恋の始まりだった…。