ウサギとヒツジと時々オオカミ!?
ヒツジの気持ち
―kazuya.side―
「言わないの!!」
そう言って、優美は教室から出て行っちまった。
俺、まだ信用されてない?
今思えば俺ばっかし安心感を与えられてたのかもしれない。
そういやー俺、優美にまだ何もしてやってねーや…
俺は、優美がどこかに行って呆然としてて片瀬をチラリと見た。
「な、何よ!?由季は何も教えないし言わないからね!!」
コイツは俺の敵だ。
俺の事をヒツジと言うなら、片瀬はヒツジを食らうライオン。
いっつも、優美との仲を邪魔しやがる。
さっきだって、いつもの様に優美の隣で昼ごはんを食べていたらひたすら優美に話し掛けて俺は優美と全く話せなかったし…
まー、岡崎が休みだったからだろうけど。
「大体は予想付くからいいよ…」
「吉川君って、優美以外だと何か雰囲気変わるよね?」
「そうかな?」
俺はにっこりと微笑むと自分の席へと座った。