ウサギとヒツジと時々オオカミ!?
「ありがとう」
「ぇ?」
優美から言われた言葉に、抱き締めたまま俯いていた俺は顔をあげた。
「私、吉川君の事頼ってなかったんだよね。勝手に色々考えてたんだよね?」
「優美…」
「私ね、分かったの。小学生の時吉川君が何も出来なかったのは当たり前。だって、私は何も吉川君に言わなかった。今回もそう…。それにね?言い方少し悪いけど今、吉川君がきっかけでこうなってたけど吉川君と仲良く出来てるから…傍に居るから私は大丈夫なの。由季も居るし。私は今一人じゃないから…」
優美は俺からゆっくりと離れた。
優美から出た言葉に俺自身も間違ってた事に気付いた。
優美は、俺の存在にちゃんと頼ってたんだ。
言葉に出さなくても俺をちゃんと頼ってた。
「俺は優美を守る事ばっか考えてて…優美自身の気持ちを考えてなかった」
「でも、私の事思ってくれてた。それは、私ちゃんと伝わってるつもりだよ?」
優美には敵わねーや。