†private love†
『未愛……お願いだからすぐに家に帰ってきて。今すぐ!!今やってることをやめて帰ってきて!!!』
「た、玉置さん…?」
『わかったわね!?今すぐに帰るのよ!…プツッ…』
き、切られた…。
何か怖いよ…。
あたしは蓮の所に戻り携帯を鞄にしまう。
「蓮、ごめん。急用が出来ちゃって今すぐ帰らなきゃならないの。せっかく誘ってくれたのに…本当ごめん」
「いや、いいよ。仕事か?……って、聞くのは無粋だよな」
「じゃあ行くねっ!!今日はありがとう!楽しかったよ」
あたしは駅まで走る。
蓮に、好きだって言えなかったな。
今度会った時に言おう。
絶対…必ず。
邪魔されても言うんだ。
あたしは心に強く誓った。
その誓いが、こんな一瞬で砕けるなんて…この時は思ってもいなかった。