†private love†





「いえ。…告白されて、電話のとき、返事しようとしてました」


あたしは苦笑いする。


「タイミングが悪かったんだか良かったんだか…」


玉置さんはため息をつく。



「え?」


「あなたにとっては、言えたら良かった。でも彼にとっては、言わなくて良かった」


「どういう意味ですか?」


玉置さんの言ってることがよく分からない。



「あなたは彼に『好き』という気持ちを伝えたかったでしょう?」


そりゃあ…ね。



「彼はあなたの気持ちを知り、嬉しくなる。でも、あなたは恋愛禁止の身。気持ちを知っていたら彼を苦しめるんじゃないの?」


………。



「あなたが我慢すれば、彼は幸せになれるかもしれないのよ」


蓮の…幸せ………。







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