†private love†





「少しは冷静になれたかしら?」


「はい。あの…すいません。迷惑かけてしまって」



玉置さんはあたしの隣に座る。

「いいのよ。どんなにすごくても、未愛は17歳の女の子なのよね。不安なこと…いっぱいあるよね」


そう言ってあたしの頭を撫でる。


「でもそれを現場では絶対に出さない、なかなか出来ないことよ」


そのまま玉置さんはあたしを引き寄せた。


「これから苦しいことがいっぱい待ってる。なんたって、好きな相手をふるんだからね」


苦笑してあたしの肩を強く掴んだ。


「我慢できなくなったらすぐに私に言いなさい。愚痴でも何でもね」


玉置さんはあたしの頭に、自分の頭をコツンと当てる。


「あなたなら大丈夫。信じてるわ。ちゃんと責任を持ちなさい。誇りを持ちなさい」



その日あたしは玉置さんに抱きついて泣きじゃくった。





泣いて泣いて……あなたへの想いを流すように。



もし流せたら、明日は……笑えるのかな?








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