2人だけ





「そう、事故のときに君が持ってたかばん」




顔を俯かせた落ち着いた様子をみせた深瀬さんは、指先でゆっくりとかばんに触れた。




まるで、大切だったものを扱うみたいに。




「これは君のものだから、調べるなり捨てるなり好きにして」




「ありがとうございます」





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